2010年12月23日木曜日

【大臣会見】PISA結果/学校組織

【大臣会見】
・鈴木寛文部科学副大臣記者会見録(平成22年12月9日)
http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/1300063.htm

■PISA結果
文科省の取り組みの関連:
「文部科学省の〔読解力強化のプログラムや活動―引用者〕というよりも、それぞれの学校現場、あるいは地域を含めた、あるいは公民館、家庭、そうした子どもの学びの現場でですね、大勢の方が熱意を持って、そしてそういう工夫を持ってですね、子どもたちの成長発達に御尽力をいただいたと、そういうことだと思います。」

今後の課題:
「残された最大の課題というのはレベル1未満がですね、読解力で申し上げますと4.7パーセント、韓国はそこが1.1、フィンランドが1.7ですから、やっぱりここが最大の課題だと思います」
「加えまして、中身、内容でありますけれども、…読解力の中で『情報へのアクセス・取り出し』というところは最上位グループであったわけでありますが、『統合・解釈』、あるいは『熟考・評価』といった部分はですね、まだ伸びしろがあると。」

他国・地域への言及:
「20年前、30年前、40年前の日本〔高度成長期の中で学力を向上することがイコール経済的な幸せに直結する―引用者〕を回顧し、そこに戻ろうと言ったところで、これはあまり現実的な話ではございません、と思っています。したがって、あまりアジア諸国の中での順位をいちいち議論するということはあまり生産的ではないと。」
「むしろですね、成熟社会であるにもかかわらず非常に成果を上げているフィンランドカナダニュージーランドオーストラリアと、こうした成熟社会における学びの動機付け、それから成熟社会における、そして文化や価値が多元化、多様化する中でですね、しかしその中で学力、あるいは読解力、あるいは数学的、科学的リテラシーの重要性ということをしっかり位置付けてですね、そしてそこを取り組んでいると、こういうところはお互いに、それぞれの持っているノウハウや経験や知見を共有しながら、共にですね、成熟社会における学びの充実という点では大いにコラボレーションをしていきたいと思っております」
「韓国に大いに見習うべき点があるとすればですね、…レベル1未満が日本に比べて優位に低いと、4分の1ぐらいですから。」
「シンガポールや韓国は、明らかにパソコンの利用と学力との間に相関があります。」

■学校組織
校長の役割:
「学校自体がそういう毎日様々な営みが起こる、正に生き物であってですね、様々なことが、良いことも、心配なことも、懸念すべきことも、いろいろなことが起こるわけですね。そうした、非常にダイナミックな組織体である学校というものに対して、そういうことをよく分かって、そしてそれの中できちんとプロデュースができるということが、やっぱり新しい学校の校長、リーダーである校長には求められるということだと思います。」(強調―引用者)

教師集団のあり方:
「今まで断片的に、初任というか新卒のところだけが強調されたりして参りましたけども、…18歳から60歳までの全体ということと、それから一人のスーパーマンの教員を作るという発想を卒業して、これまでは望ましい教師像ということでですね、もう何でもできる教師像というのをイメージしてそれを作るんだということですが、そうじゃなくて、チームとしてですね、教員集団として、そしてそれをサポートする縁側の、そういうボランティアの皆さんや、あるいはそれを支える教職大学院のプロの皆さん、そういうことも含めてですけども、そういうチームとしての教員集団で、それぞれが得意なものを持ち寄りながらお互いいろいろ支え合い、かばい合いながらということで、18歳から60歳までの良い教員集団を作っていくんだと。」(強調―引用者)

これからの学校のイメージ:
「トップマネジメントの校長、プロデューサーとしての校長、そして専門としての中堅ですね。…様々な中堅専門集団がいて、そしてその人たちが若手にいろいろ伝授していくと。しかし、若手もそういう中で大事な、教員集団全体に活力を与える、あるいは学校全体に活力を与える大事な存在としてですね、自らも学びながら、しかし子どもたちに対しては、あるいは学校コミュニティとしては中核的な存在として頑張ると、こういう全体の、これから変わっていくべき学校のイメージ。」

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