2012年2月9日木曜日

ポール・ウィリス『ハマータウンの野郎ども』

ポール・ウィリス『ハマータウンの野郎ども』(熊沢誠、山田潤訳)、東京:筑摩書房(ちくま学芸文庫)、1996年.

授業で講読している文献(Anthony Giddens, The constitution of society: outline of the theory of structuration, Berkeley and Los Angeles: University of California Press, 1984)に引用されているので、読んでみる。

一番気になった点は、「野郎ども」の悪事の数々を淡々と聞き取り、記述するウィリスを、学校の先生はどのようにみていたのだろうという点である。学校の先生が「彼は研究者だからね」と思っていたなら、それはすごいことではないだろうか。(もしわたしが教師だったら、嫌味のひとつでも言いたくなりそうである…「気楽な立場でいいですね。」)気になる点である。

一方で、「野郎ども」には反学校文化としてまったく別の世界が存在すること、それがありありと記録されている点が、とても新鮮でおもしろかった。残念ながら原著には当たれていないのだが、とても丁寧に、臨場感たっぷりに翻訳してあるという印象を受けた。

後半の分析については、その枠組みがいろいろな事象に応用できるのではないかと感じた。特に、抑圧―被抑圧の関係性が維持される状況とそのメカニズムについて、うまく言い当てているように思われる。

つぶやき

Business = [busy-ness] absorbed my energy.

ここのところ、忙しさに負けている…。
(ちなみに、インフルエンザ・ウィルスにも負けてしまった…。)

が!しかし!負けてばかりいられないのです~(>_<)