2010年12月23日木曜日

続・研究の独創性

研究の独創性(2010年12月8日)に関して。

「思想課題を共有すること」と「それへのアプローチが独創的であること」を分けて考える方がいいかもしれない。(しかし、アプローチの独創性が思想課題としての「問い」の構成のしかたを変えるようなものであれば結局「アプローチの独創性」に行きつくのかもしれないが。)

思想課題については、数年前にある研究会に参加した際に指摘していただいた。研究課題が、現実的な課題設定(現実にある問題状況とそれに対する問題意識)と思想的な課題設定(理論上批判の対象となる論点)によって設定されると考えた場合、後者にあたるもの。

この2つの課題を研究課題として示すことをずっと考えているけれど、それを構造化して示すのは非常に難しい。その理由はいくつかあるだろうが、そのうちの一つとして多くの前提となる知識が必要とされる一方で、当初の問題関心を見失わずにいることが必要となるからである。知識を深めていけばいくほど、いろいろな研究者がいろいろなアプローチを提唱していることがわかってくる。前者の課題は共通するが、後者の課題は共通していない場合や、論じるレベルが異なっている場合など、いろいろな状況が考えられる。そして研究課題を読み解くのを難しくさせているのは、論文や文献の中にその課題が十分に明示されていない場合があるからである。

再び、自戒をこめて。

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