2010年5月31日月曜日

もやもやに耐えられるか?

最近の課題。ジレンマの場所。

物事を割り切って考えることって、すっごくすっきりする。いろいろ単純化している。でも、思考停止。
物事を割り切って考えられないって、すごくもやもやする。ぜんぜん単純化できない。結局、思考継続。

本当は、本当は、すごくすっきりしたいんです!だって、「白/黒」や「善/悪」がはっきりしているとなんとなく安心しません?安心ですよね?すっきり生きたい欲望が強い。これは本能でしょうか?

でも、実際の世の中はそんな単純なものではない!そして、割り切った思考に別様の可能性を開くことというのが、わたしが研究を通じてでやりたいこと(別の単純化にもなったりして…要注意!)。

そのもやもや状態にわたし自身が耐えられるのかどうか。

試されてるのは、自分。

研究者の役割

研究者の役割について小熊さんが言っていたこと。

「人びとを絶対的真理によって指導することではなく、人びとに自由度をもたらす選択肢の知識を提供することが社会科学に携わる者の任務だと考える」
小熊英二『<日本人>の境界』新曜社、1998年、764頁。

共感します。

2010年5月27日木曜日

研究方法って・・・

研究方法って、いまだによくわかっていない。

「量的研究か、質的研究か?」

と問われれば

「質的研究です」と答えることはできる。


問題はそこから。

耳慣れた言葉でいえば、「政策分析」。
でも政策分析って一体なんだ??

わたしがやっているのは政治学どっぷりではない。

Document Analysis(文書分析)やContent Analysis(内容分析)という言葉はあるようだけど、それが当てはまるのかもわからない。

社会学の分野での政策分析が一番イメージに近い感じ。
「政治社会学(Political Sociology)」という分野もあるようだけど。

うむむ。

2010年5月26日水曜日

【連合王国】連立政府の方針:移民

The Coalition: our programme for government

Immigration

移民はわたしたちの文化を豊かにし、経済を強化してきた。しかし、人々がそのシステムを信頼するためには、移民は統制されなければならない。また結束(cohesion)を確かなものにし、公的サービスを保証するために、移民に上限を設け、非EU移民の数を削減する必要がある。

・We will introduce an annual limit on the number of non-EU economic migrants admitted into the UK to live and work. We will consider jointly the mechanism for implementing the limit. (非EU経済移民の数の年次制限の導入)

・We will end the detention of children for immigration purposes. (子どもの拘留の廃止)

・We will create a dedicated Border Police Force, as part of a refocused Serious Organised Crime Agency, to enhance national security, improve immigration controls and crack down on the trafficking of people, weapons and drugs. We will work with police forces to strengthen arrangements to deal with serious crime and other cross-boundary policing challenges, and extend collaboration between forces to deliver better value for money. (国境警備)

・We support E-borders and will reintroduce exit checks. (ヨーロッパの境界/出国審査の再導入)

・We will apply transitional controls as a matter of course in the future for all new EU Member States. (国家を越えた統制/EU)

・We will introduce new measures to minimise abuse of the immigration system, for example via student routes, and will tackle human trafficking as a priority. (移民システム濫用の縮減)

・We will explore new ways to improve the current asylum system to speed up the processing of applications. (庇護希望者システムの改善)

【連合王国】連立政府の方針:学校

The Coalition: our programme for government

School

近年拡大している教育的不平等を是正するために、また保護者や児童・生徒によい学校を選択するより大きな権限を与えるために、現在の学校システムを改革する必要があると考える。教室における規律(discipline)の高い基準、強固な(robust)基準、そして質の高い教授を確かなものとしたい。また、新たな学校をつくることによって教育システムを改善するために協力する保護者、コミュニティ集団、その他の人々を政府は援助すべきであると考える。

[以下、17項目が列挙されている。]

・わたしたちは次のような学校改革を推進する。保護者の要求に応えるように、公的な学校システムに新しい供給者が参入できる;すべての学校がカリキュラムをより自由に設定する;すべての学校が適切に責任を負う。

・We will fund a significant premium for disadvantaged pupils from outside the schools budget by reductions in spending elsewhere. (不利な子どもたち)

・We will give parents, teachers, charities and local communities the chance to set up new schools, as part of our plans to allow new providers to enter the state school system in response to parental demand. (新しい供給者による新しい学校)

・We will support Teach First, create Teach Now to build on the Graduate Teacher Programme, and seek other ways to improve the quality of the teaching profession. (教員養成、研修)

・We will reform the existing rigid national pay and conditions rules to give schools greater freedoms to pay good teachers more and deal with poor performance. (教員給与)

・We will help schools tackle bullying in schools, especially homophobic bullying. (いじめ問題)

・We will simplify the regulation of standards in education and target inspection on areas of failure. (教育水準の簡素化)

・We will give anonymity to teachers accused by pupils and take other measures to protect against false accusations. (教員の保護)

・We will seek to attract more top science and maths graduates to be teachers. (教員)

・We will publish performance data on educational providers, as well as past exam papers. (成績データの公表)

・We will create more flexibility in the exams systems so that state schools can offer qualifications like the IGCSE. (試験システムの柔軟性)

・We will reform league tables so that schools are able to focus on, and demonstrate, the progress of children of all abilities. (成績一覧表の改訂)

・We will give heads and teachers the powers they need to ensure discipline in the classroom and promote good behaviour. (規律)

・We believe the most vulnerable children deserve the very highest quality of care. We will improve diagnostic assessment for schoolchildren, prevent the unnecessary closure of special schools, and remove the bias towards inclusion. (弱い立場にある子ども/インクルージョン)

・We will improve the quality of vocational education, including increasing flexibility for 14–19 year olds and creating new Technical Academies as part of our plans to diversify schools provision. (職業教育)

・We will keep external assessment, but will review how Key Stage 2 tests operate in future. (外部評価/キーステージ2の試験)

・We will ensure that all new Academies follow an inclusive admissions policy. We will work with faith groups to enable more faith schools and facilitate inclusive admissions policies in as many of these schools as possible. (アカデミー)

【連合王国】連立政府の方針

「The Coalition: our programme for government」(http://programmeforgovernment.hmg.gov.uk/

「このウェブサイトは『連立』のオンライン版である。この文書は、今後5年間にわたる連立政府の計画を明らかにしたものである。これらの計画は、自由、公正、責任という価値によって、また国益をめざすという共有の願いによって導かれたものである。わたしたちは共に働くことによって、困難な時からよりよい日々へとこの国を変えていけると確信している。
 わたしたちはこの計画によって、基本原理、変革する政府、より強固な社会、より小さな国家と権力、そしてすべての市民に責任をもたらすと考える。」

【連合王国】教育省のニュース

5月13日(木)
Michael Gove MPが教育大臣(Secretary of State for Education)に就任。

5月18日(火)
予算編成について教育省がコメント。
「政府は秋に総合的な予算見直しを行う。」

5月20日(木)
連立に関する文書を発表。
「The Coalition: our programme for government」(http://www.hmg.gov.uk/

5月24日(月)
シュア・スタートと16–19歳の教育の予算は2010-11においては確保されるだろう、と政府がコメント。
「年間£670 million(6億7000万)の削減は、£156 billion(1560億)の赤字を削減するために有効である。」

2010年5月20日木曜日

組織化する困難

人々を組織化するというのには、多大なエネルギーが必要だと思います。維持するのはとても大変。でも、やっぱり一人じゃできないことができたり、すごい力を発揮したりする。

いったい誰がそのエネルギーを割くのか?
誰がそれを維持するのか?

2010年5月15日土曜日

【連合王国】新内閣発足

覚書。

5月6日
 総選挙により保守党が第1党、労働党が第2党、自由民主党が第3党となる。
  ※連立に向けた協議開始。

5月11日
 キャメロン氏が首相に就任。
  ※保守党の政権復帰は13年ぶり(1997年から労働党政権)。
  ※連立政権の発足は第2次大戦時以来!

5月12日
 新内閣発足。

 教育大臣(Secretary of State for Education)
  Rt Hon Michael Gove MP
 学校担当副大臣(Minister of State for Schools)
  Nick Gibb MP
 子ども・家庭担当副大臣(Minister of State for Children and Families)
  Sarah Teather MP

5月13日
 教育省(Department for Education)に改組。
 新しいウェブサイトの公開。ツイッターも展開中。

2010年5月10日月曜日

関係のつくり方

人と人との関係って、本当に不思議だと思う今日この頃。いったい何で成り立っているのでしょう?

TOEFLのテスト受けた時に2つの関係性に言及されていました。

ひとつは、感情で結びついているもの。
もうひとつは、目的で結びついているもの。

関係性は、ひとつめでは目的であり、ふたつめでは手段になるという。
そして目的で結びついた関係から、感情で結びついた関係にもなるという。

ひとつめは家族関係や友人関係が代表的でしょうか。
ふたつめは会社や組織的な集団にみられますかね。

どちらが強固なのでしょう。やはり感情?

2010年5月8日土曜日

「学術スキル」なるもの

2010年の年明けに3か月ほど海外に滞在する機会を得ました。春学期の間大学院の授業を聴講し、その他学内のいろいろな催しに顔を出しました。その中で感じたこと。

研究を進めていく上での「学術スキル」のようなものが明示されていること。一方で、日本の(とまで一般化できるかどうかは極めて怪しいですが)大学院ではそれほど明示されていないのではないか、ということ。

これは現地の大学の「スタディー・スキル・ワークショップ」に参加して感じたことです。文献検索の方法、リーディングの仕方、ノートの取り方、エッセイの書き方、論文引用の仕方、マインド・マッピング、プレゼンの仕方などなどがテーマでした。そのワークショップを担当する専門の方がいることにも驚きました。

日本では研究会や授業で諸先生方・諸先輩方の発言から学ぶということはあります。が、背中を見て学べなんですよね、基本的に。両者とも言ってることは結局同じだったりするんですが。でも、ここを押さえておけば、という「秘訣」はあると思うのです。そこをわかりやすく伝えるものだと思います。

大学で学ぶべきなのは、このようなスキルなのではないのでしょうか?もっと明示すればいいのに。減るものでもないし。

2010年5月7日金曜日

「国際競争力」って?

最近テレビで「日本の革新的な技術が世界に持っていかれてしまう」という論調の番組をよく見る気がする。でも国家が技術を守ることでどれほどの恩恵が国民にもたらされるというのか?そもそも国家が技術を守ることなんてできるのか?

以前に「国際競争力」という考え方を批判する記事を前にブログで見た気がして再検索。このページだったかは忘れてしまったが、このような感じだった気がする。

池田信夫 blog(旧館):国際競争力という危険な妄想
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/6cc6d43a11b0e921c3553e1c94331afd

そこで言及されているのは、
ポール・クルーグマン「競争力という危険な妄想(Competitiveness: A Dangerous Obsession)」(Foreign Affairs, 1994)という論文。(一部日本語で公開しているサイトがあります。本文もPDFで公開されているよう。うまくリンク貼れないので検索してみてください!)

論文自体は1994年のもので、15年前ほどのものになってしまうのだけれど、今はどのような議論になっているのだろう。

企業はどの程度国家に守られているのだろうか?

2010年5月3日月曜日

e-learning!

4月から「NHK ハーバード白熱教室」という番組が放送されています。(http://www.nhk.or.jp/harvard/

<番組概要>
創立1636年、アメリカ建国よりも古いハーバード大学の歴史上、履修学生の数が最高記録を更新した授業がある。政治哲学のマイケル・サンデル教授の授業「Justice(正義)」である。大学の劇場でもある大教室は、毎回1000人を超える学生がぎっしり埋まる。あまりの人気ぶりにハーバード大学では、授業非公開という原則を覆し、この授業の公開に踏み切った。


この番組は情報化と研究の役割について大きなインパクトを持っていると思う。
設備さえあれば誰でもハーバードの有名な教授の授業を視聴することができるんですよ?すごくないですか??

「あまりの人気ぶり」⇒「授業公開」という流れはよくわからないですが。
…どんなねらいがあるんでしょうね。

ともかく、ハーバード大学に行かなくても著名な教授の授業を受けることができるのです!

けれどもちろん単位はもらえないし、レポートも見てもらえないし、
リアルタイムのディスカッションにも参加できない。

では一体誰がこの番組にひきつけられるのか?
・「正義」に興味がある。
・サンデル教授に興味がある。
・ハーバードでの授業に興味がある。
・大規模な大学の授業をどのように進めるのかに興味がある。

その他にはどうでしょう?

立ち止まる人、歩き続ける人

研究の役割や研究者の役割についてよく考える。
何のために研究しているのか??

とりあえず、現時点でのわたしの暫定的な回答。
「議論を開くこと」または「議論を開く手伝いをすること」。

研究者は、意識的に一歩の歩みをとめて考えることを求められている立場にいると思う。
現実のもっと別様のありかたを考えること。立ち止まることのできる人。

普段の日常生活なんて意思決定の繰り返し。
その場その場で判断を求められている。歩き続けるしかない、本当は。

その歩みに迷いが疑問が生じたときに「別様のありかた」を示せるかどうか。
そのときが研究者の出番だと思う。

研究者はいろいろな事柄を知っていたり、
物事をより深く理解しようとするけれども、だから「偉い」のではない。
そうすることを求められ、許されているからできること。

Information Technology

情報化がどんどん進めば、どんな研究が現れるだろう?

今でさえいろいろなデータベースがあって論文検索なんて瞬時にできる。
大学院に入った頃にはもうそれが普通だったけれど、
もう少し長いスパンでみれば、すごいスピードなんだと思う。

でも溢れ出ている情報の管理は大変…。
そのあたりの管理の「秘訣」をもっと共有していければいいのになぁ。

情報発信の可能性はすごく広がっていると思う!
ブログで積極的に情報を発信している先生もいる。
大学を介さずとも学べる環境がそこにはあるのかもしれない。

一方で、アナログなやり方もすごく重要だと思う。
人間にはできることに限界があるし。
無理せず、「いい加減」で付き合っていきたい。