2010年12月20日月曜日

カント「永遠平和のために」

カント「永遠平和のために――哲学的な草案」(1795年)『永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編』(光文社古典新訳文庫)中山元訳、光文社、2006年、pp.147-273.
中山元「解説――カントの思考のアクチュアリティ」(pp.337-76.)※「永遠平和のために」に関連する箇所のみ

構成:
第1章 国家間に永遠の平和をもたらすための六項目の予備条項/第2章 国家間における永遠平和のための確定条項

内容:
<予備条項>
①将来の戦争の原因を含む平和条約は、そもそも平和条約とみなしてはならない
②独立して存続している国は、その大小を問わず、継承、交換、売却、贈与などの方法で、他の国家の所有されてはならない
③常備軍はいずれは全廃すべきである
④国家は対外的な紛争を理由に、国債を発行してはならない
⑤いかなる国も他国の体制や統治に、暴力をもって干渉してはならない
⑥いかなる国家も他の国との戦争において、将来の和平において相互の信頼を不可能にするような敵対行為をしてはならない
<確定条項>
Ⅰ どの国の市民的な体制も、共和的なものであること
Ⅱ 国際法は、自由な国家の連合に基礎をおくべきこと
世界市民法は、普遍的な歓待の条件に制限されるべきこと
<追加条項>
ⅰ 永遠平和の保証について
ⅱ 永遠平和のための秘密条項

メモ:
・カントの「共和的な体制」の意味(p.170、「解説」pp.341-56.)
・カントの「自然」の概念(p.191、「解説」pp.362-7.)

疑問:
・民族/国民の訳し分け方はどのように?

引用:
・「事実としては道徳性によって善き国家体制が構築されるのでなく、善き国家体制こそが、民族の善き道徳性を育むのである。」(p.206)

コメント:
詳細な論理展開についてはついていけていないと思うが、基本的な主張を確認。

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