2012年5月13日日曜日
【書評】大澤真幸―古市憲寿・本田由紀著『希望難民ご一行様―ピースボートと「承認の共同体」幻想』
【書評】大澤真幸―古市憲寿・本田由紀著『希望難民ご一行様―ピースボートと「承認の共同体」幻想』
(http://book.asahi.com/ebook/master/2012030600001.html)
目的性と共同性に関する考察がおもしろかったです。問題提起は以下の通り。
「本書で古市氏は、目的性の軸と共同性の軸を直交するものとして、つまり独立の次元として導入している。…だが、二つの軸の間には、非常に微妙な関係があるのではないか。」
主張の骨子:
人間の最終的な幸福の源泉は共同性にある。しかし共同性を深めるために、共同性だけを追求してもそれを得られない。共同性はある目的性を媒介としたときのみ、深めることができる。言い換えれば、深い共同性はある目的を追求したときに生まれる副産物なのである。目的の追求には葛藤や裏切りの可能性が秘められている。そのような側面があるとしても、目的に執着することこそが共同性を深化させるのである。
コメント:
経験に照らしても、非常に納得できる主張である。しかし、気になるのは、なぜ共同性のみ追求するとうまくいかないのか、という点である。ここについては、大澤氏も「そこがふしぎなところである」と述べるにとどまっている。
わたしがこの点に興味をもつのは、社会の共同性に関連する価値それ自体を目的に据えた教育活動の不可能性を提起しているように思えるからである。例えば、シティズンシップ教育や道徳教育など、ある社会的な価値観の共有を主要な目的とする教育活動が抱える根本的な問題を提示しているのではないだろうか。
共同性に関連づけて、「なかまになる」というテーマを設定したとしよう。例えば授業で、なかまになることに関するいろいろな話を読んだり、聞いたりするとする。しかし、この作業自体は直接に「なかまになる」ことにつながるわけではない。それ以上に、運動会や文化祭で一緒に具体的な何かをするという場面にこそ、「なかまになる」ための契機があるように思う。そのような行事でなくても、班で一緒に給食の準備をしたり、掃除をしたりすることでもいいだろう。(もちろん、ケンカやもめごとがつきまとうのだが。)
「なかまになる」ことを直接に追求することの不可能性は何に起因するのだろう。
【審議会情報】「定住外国人の子どもの教育等に関する政策懇談会」の意見を踏まえた文部科学省の政策のポイント
【審議会情報】「定住外国人の子どもの教育等に関する政策懇談会」の意見を踏まえた文部科学省の政策のポイント 現在の進捗状況について
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kokusai/008/toushin/1320830.htm)
2010(平成22)年5月19日に公表された「定住外国人の子どもの教育等に関する政策懇談会」の意見を踏まえた文部科学省の政策のポイントにおいて記載されている3~7までの項目についての進捗状況の報告。
3.「入りやすい公立学校」を実現するための3つの施策
4.学校外における学習支援
5.外国人学校における教育体制の整備
6.留学生に対する日本語教育や就職支援
7.更に検討を要する課題
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kokusai/008/toushin/1320830.htm)
2010(平成22)年5月19日に公表された「定住外国人の子どもの教育等に関する政策懇談会」の意見を踏まえた文部科学省の政策のポイントにおいて記載されている3~7までの項目についての進捗状況の報告。
3.「入りやすい公立学校」を実現するための3つの施策
4.学校外における学習支援
5.外国人学校における教育体制の整備
6.留学生に対する日本語教育や就職支援
7.更に検討を要する課題
2012年5月12日土曜日
5月14日(月)―5月20日(日)
■ 非常勤の授業準備
■ 留学生の授業準備
■ 学会発表アブストラクト作成
■ 授業見学@東京(プロジェクト)
■ 研究会@東京
■ 翻訳(火6授業)
…なので、先取りで書いておこう~。
〔追記:6月5日〕
って気づいたら6月!あかんな~…。
乗り物に弱いので、東京に行くと一気に体力を消耗します。(寝てればいいのに、何かもったいないと思って本読むから…自業自得。)そんな5月でした。
■ 留学生の授業準備
■ 学会発表アブストラクト作成
■ 授業見学@東京(プロジェクト)
■ 研究会@東京
■ 翻訳(火6授業)
…なので、先取りで書いておこう~。
〔追記:6月5日〕
って気づいたら6月!あかんな~…。
乗り物に弱いので、東京に行くと一気に体力を消耗します。(寝てればいいのに、何かもったいないと思って本読むから…自業自得。)そんな5月でした。
5月7日(月)―5月13日(日)
■ 非常勤の授業準備
■ 留学生の授業準備
■ 学会発表要旨執筆(研究会での発表+提出完了)
■ 授業見学@東京(プロジェクト)
■ 翻訳(プロジェクト)
書いたとたんに終わりつつある一週間…。プロジェクトの翻訳はギリギリ間に合いました。
■ 留学生の授業準備
■ 学会発表要旨執筆(研究会での発表+提出完了)
■ 授業見学@東京(プロジェクト)
■ 翻訳(プロジェクト)
書いたとたんに終わりつつある一週間…。プロジェクトの翻訳はギリギリ間に合いました。
2012年5月2日水曜日
戸田山和久『論文の教室: レポートから卒論まで』
戸田山和久『論文の教室: レポートから卒論まで』日本放送出版協会、2002年.
読みだしたらとまらなくなってしまいました…著者の思うつぼ?いかんですな。でも、とても楽しく読めました。「論文を書くことに必要なこと」がすごく丁寧に整理されています。
メモ:
・論文とはどんな文章か(pp.37-8.)
①論文には問いがある
②論文には主張がある
③論文には論証がある
→シンプルな3要素。
・論文の課題の類型(p.54)
①報告型の課題(=レポート)
a. 読んで報告するタイプ
b. 調べて報告するタイプ
②論証型の課題(=論文)
c. 問題が与えられた上で論じるタイプ
d. 問題を自分で立てて論じるタイプ
→この類型は、院生が普段やっていることに当てはめられる。
a. は授業でレジュメをきる時の要約部分。
発表担当箇所に何が書いてあったか、ポイントをまとめて提示する。
b.とc. は授業でレジュメをきる時の考察部分。
書いてあることに関連する情報を調べる。
書いてあることに対する自分なりの考えを示す。
d. は自分の論文を書く作業。
・問いの定式化 (pp.62-6.)
「じっさい、卒業論文の指導のほとんどが、問題の絞り込みに費やされるのがふつうだ。…卒論の出来は問題を絞ることができたかで99%決まる」(p.66)
→修論もしかり。おそらく、博論もしかり。
・論文の構成要素は5つ(p.76, 90)
0. タイトル、著者名、著者の所属機関
1. アブストラクト (こーゆーことをやるぞ!!)
2. 本体
①問題提起 (これが問いだ!!)
②主張 (それについて私はこう答える。)
③論証 (なぜかというとね…)
3. まとめ (けっきょくこーゆーことがわかったわけですよ!!)
4. 注、引用・参考文献一覧
(お世話になりました…。)
「論文のタイトルには、『この論文を読むと読者は何がわかるようになるのか』を書く」(p.77)
→なるほど!この基準はわかりやすい。
・要約すること(pp.78-83.)
「文章を『問い+答え+論拠』の形に再構成する」(p.82)
①筆者はどういう問題を立てているか
②筆者はそれにどう答えているか
③筆者は自分の答えのためにどのような論証をしているか
→これはメモであって要約ではありません。
・書く燃料サイクル(p.108, 195)
①項目アウトライン
…何を調べたらよいか。考えたらよいか。
②少し膨らんだ文アウトライン
…調べて考えて書き加える。
③もっと膨らんだアウトライン(=パラグラフ・アウトライン)
…さらに何を調べたらよいか、考えたらよいか。
…調べて考えて加筆。
読みだしたらとまらなくなってしまいました…著者の思うつぼ?いかんですな。でも、とても楽しく読めました。「論文を書くことに必要なこと」がすごく丁寧に整理されています。
メモ:
・論文とはどんな文章か(pp.37-8.)
①論文には問いがある
②論文には主張がある
③論文には論証がある
→シンプルな3要素。
・論文の課題の類型(p.54)
①報告型の課題(=レポート)
a. 読んで報告するタイプ
b. 調べて報告するタイプ
②論証型の課題(=論文)
c. 問題が与えられた上で論じるタイプ
d. 問題を自分で立てて論じるタイプ
→この類型は、院生が普段やっていることに当てはめられる。
a. は授業でレジュメをきる時の要約部分。
発表担当箇所に何が書いてあったか、ポイントをまとめて提示する。
b.とc. は授業でレジュメをきる時の考察部分。
書いてあることに関連する情報を調べる。
書いてあることに対する自分なりの考えを示す。
d. は自分の論文を書く作業。
・問いの定式化 (pp.62-6.)
「じっさい、卒業論文の指導のほとんどが、問題の絞り込みに費やされるのがふつうだ。…卒論の出来は問題を絞ることができたかで99%決まる」(p.66)
→修論もしかり。おそらく、博論もしかり。
・論文の構成要素は5つ(p.76, 90)
0. タイトル、著者名、著者の所属機関
1. アブストラクト (こーゆーことをやるぞ!!)
2. 本体
①問題提起 (これが問いだ!!)
②主張 (それについて私はこう答える。)
③論証 (なぜかというとね…)
3. まとめ (けっきょくこーゆーことがわかったわけですよ!!)
4. 注、引用・参考文献一覧
(お世話になりました…。)
「論文のタイトルには、『この論文を読むと読者は何がわかるようになるのか』を書く」(p.77)
→なるほど!この基準はわかりやすい。
・要約すること(pp.78-83.)
「文章を『問い+答え+論拠』の形に再構成する」(p.82)
①筆者はどういう問題を立てているか
②筆者はそれにどう答えているか
③筆者は自分の答えのためにどのような論証をしているか
→これはメモであって要約ではありません。
・書く燃料サイクル(p.108, 195)
①項目アウトライン
…何を調べたらよいか。考えたらよいか。
②少し膨らんだ文アウトライン
…調べて考えて書き加える。
③もっと膨らんだアウトライン(=パラグラフ・アウトライン)
…さらに何を調べたらよいか、考えたらよいか。
…調べて考えて加筆。
④論文
・アウトラインを作るときに問題を細分化する方法(p.113-126.)
①RPG法
②ビリヤード法
a. 問いのフィールドを作る
b. 問いのフィールドから問いと答えのフィールドへ
c. フィールドからアウトラインへ
「フィールドからアウトラインにまでもっていくためには、捨てることが必要だ。もったいないけれど、思いきってばさばさ捨てる」(p.126)
コメント:
・第6章の「論証のテクニック」を読むときに頭が痛くなった…もとい、頭をかなり使った。これまでは接続詞を意識しつつも、論証の形式についてはあまり考えていなかった。(演繹的論証なのか、帰納的論証なのか?など。)理解するのはかなり難しかったが、すごく参考になった。そして、論証のテクニックを自在に使えるようになるにはある程度のトレーニングを積まないとダメだということがわかった。これは一朝一夕で身につくものではない。
・本書でも最初に説明されている(pp.38-42.)が、感情が根拠にならない理由を自分なりにもう少し考えたい。
2012年5月1日火曜日
お気に入り文具「ペン編」
わたしが使っているお気に入りの文具たちの紹介です。今回はペン編。
●ボールペン
・ユニボール シグノ 極細シリーズ(0.28mm):UM-151-28
・ユニボール シグノ 極細シリーズ(0.38mm):UM-151
黒のみ両方持っています。その他のカラーは0.28のみ。主に手帳への書き書き込み用。これまではパイロットのハイテックC(0.4mm)を使っていましたが、徐々にこちらへ移行中。(まだインクが残っているペンがあるので…。)パイロットのペンの色はすごく好きなんですが、書きやすさはユニボールに軍配。
●3色ボールペン
・ユニJETSTREAM(ジェットストリーム)3色ボールペン(0.5mm):SXE3-400-05
黒、赤、青の3色ボールペン。なめらかな書き心地のとりこになってしまいました。これまではゼブラのクリップ-オンG・4C(0.7mm)を使っていました。これもすごく好きだったのですが、ジェットストリームの細み加減にやられました。ノートへ記入するときは、たいていこれです。文献をコピーしたものを読むときも、これ。
●鉛筆
・ハイユニ(3B)
鉛筆は本に書き込むときに使います。3Bくらいだと消しても本に跡がつかず、かつ擦れてもあまりきたなくなりません。(こすってはだめですよ、もちろん。)
・ユニホルダー:MH-500
・ユニホルダー2mm替芯【黒】(3B)
・ユニホルダー芯用ポケットシャープナー:DPS-600
そして本日、新しく仲間に加わったのがユニの芯ホルダー・芯・シャープナーです。これまでは鉛筆を使っていましたが、最後までなかなか使いきれない(数センチ残る)、削りくずがすぐたまる…等の問題を抱えていました。果たして、これを使うことで問題解決につながるのか!?乞うご期待。
…こうしてみると、ユニばかりですね。
●ボールペン
・ユニボール シグノ 極細シリーズ(0.28mm):UM-151-28
・ユニボール シグノ 極細シリーズ(0.38mm):UM-151
黒のみ両方持っています。その他のカラーは0.28のみ。主に手帳への書き書き込み用。これまではパイロットのハイテックC(0.4mm)を使っていましたが、徐々にこちらへ移行中。(まだインクが残っているペンがあるので…。)パイロットのペンの色はすごく好きなんですが、書きやすさはユニボールに軍配。
●3色ボールペン
・ユニJETSTREAM(ジェットストリーム)3色ボールペン(0.5mm):SXE3-400-05
黒、赤、青の3色ボールペン。なめらかな書き心地のとりこになってしまいました。これまではゼブラのクリップ-オンG・4C(0.7mm)を使っていました。これもすごく好きだったのですが、ジェットストリームの細み加減にやられました。ノートへ記入するときは、たいていこれです。文献をコピーしたものを読むときも、これ。
●鉛筆
・ハイユニ(3B)
鉛筆は本に書き込むときに使います。3Bくらいだと消しても本に跡がつかず、かつ擦れてもあまりきたなくなりません。(こすってはだめですよ、もちろん。)
・ユニホルダー:MH-500
・ユニホルダー2mm替芯【黒】(3B)
・ユニホルダー芯用ポケットシャープナー:DPS-600
そして本日、新しく仲間に加わったのがユニの芯ホルダー・芯・シャープナーです。これまでは鉛筆を使っていましたが、最後までなかなか使いきれない(数センチ残る)、削りくずがすぐたまる…等の問題を抱えていました。果たして、これを使うことで問題解決につながるのか!?乞うご期待。
…こうしてみると、ユニばかりですね。
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