2012年8月8日水曜日

【議事要旨】日本語指導が必要な児童生徒を対象とした指導の在り方に関する検討会議

【議事要旨】日本語指導が必要な児童生徒を対象とした指導の在り方に関する検討会議

公立学校における日本語指導の制度化に向けた話し合いが行われています。
第1回会議(平成24年4月24日)の議事要旨が公表されました。

議事要旨(第1回)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/clarinet/kaigi/1324259.htm

議題:
1.公立学校における日本語指導に係る「特別の教育課程」創設について
2.「特別の教育課程」として位置付ける日本語指導の在り方について
 ・指導内容、形態及び場所について
 ・主たる指導者について
 ・他校における通級指導について
 ・児童生徒の指導計画について

2012年7月26日木曜日

「日本語指導が必要な児童生徒を対象とした指導の在り方に関する検討会議の設置について」

「日本語指導が必要な児童生徒を対象とした指導の在り方に関する検討会議の設置について」

平成24年4月11日に設置が発表され、4月24日に第1回の会合が開かれました。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/clarinet/kaigi/1321199.htm

今後の動向に注目です!

明石欽司『ウェストファリア条約――その実像と神話』

明石欽司『ウェストファリア条約――その実像と神話』慶應義塾大学出版会、2009年.

ウエストファリア条約によって主権国家体制が確立された、という「神話」を問い直す著作。まだ読めていないのですが、書評を二つ。

君塚直隆「書評: 『ウェストファリア条約 その実像と神話』」(2009/08/17)

遠藤乾「書評: 『ウェストファリア条約――その実像と神話』」(外交フォーラム2009年10月号)


余談:
あっという間に6月が終わり、7月に…。学会シーズンでだいぶ更新がとまっていました。夏季休業に入り、じっくりと文献を読める&考える時間が…うれしや。

2012年5月13日日曜日

【書評】大澤真幸―古市憲寿・本田由紀著『希望難民ご一行様―ピースボートと「承認の共同体」幻想』


【書評】大澤真幸―古市憲寿・本田由紀著『希望難民ご一行様―ピースボートと「承認の共同体」幻想』
http://book.asahi.com/ebook/master/2012030600001.html

目的性と共同性に関する考察がおもしろかったです。問題提起は以下の通り。
「本書で古市氏は、目的性の軸と共同性の軸を直交するものとして、つまり独立の次元として導入している。…だが、二つの軸の間には、非常に微妙な関係があるのではないか。」

主張の骨子:
人間の最終的な幸福の源泉は共同性にある。しかし共同性を深めるために、共同性だけを追求してもそれを得られない。共同性はある目的性を媒介としたときのみ、深めることができる。言い換えれば、深い共同性はある目的を追求したときに生まれる副産物なのである。目的の追求には葛藤や裏切りの可能性が秘められている。そのような側面があるとしても、目的に執着することこそが共同性を深化させるのである。

コメント:
経験に照らしても、非常に納得できる主張である。しかし、気になるのは、なぜ共同性のみ追求するとうまくいかないのか、という点である。ここについては、大澤氏も「そこがふしぎなところである」と述べるにとどまっている。

わたしがこの点に興味をもつのは、社会の共同性に関連する価値それ自体を目的に据えた教育活動の不可能性を提起しているように思えるからである。例えば、シティズンシップ教育や道徳教育など、ある社会的な価値観の共有を主要な目的とする教育活動が抱える根本的な問題を提示しているのではないだろうか。

共同性に関連づけて、「なかまになる」というテーマを設定したとしよう。例えば授業で、なかまになることに関するいろいろな話を読んだり、聞いたりするとする。しかし、この作業自体は直接に「なかまになる」ことにつながるわけではない。それ以上に、運動会や文化祭で一緒に具体的な何かをするという場面にこそ、「なかまになる」ための契機があるように思う。そのような行事でなくても、班で一緒に給食の準備をしたり、掃除をしたりすることでもいいだろう。(もちろん、ケンカやもめごとがつきまとうのだが。)

「なかまになる」ことを直接に追求することの不可能性は何に起因するのだろう。

【審議会情報】「定住外国人の子どもの教育等に関する政策懇談会」の意見を踏まえた文部科学省の政策のポイント

【審議会情報】「定住外国人の子どもの教育等に関する政策懇談会」の意見を踏まえた文部科学省の政策のポイント 現在の進捗状況について
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kokusai/008/toushin/1320830.htm

2010(平成22)年5月19日に公表された「定住外国人の子どもの教育等に関する政策懇談会」の意見を踏まえた文部科学省の政策のポイントにおいて記載されている3~7までの項目についての進捗状況の報告。

3.「入りやすい公立学校」を実現するための3つの施策
4.学校外における学習支援
5.外国人学校における教育体制の整備
6.留学生に対する日本語教育や就職支援
7.更に検討を要する課題

2012年5月12日土曜日

5月14日(月)―5月20日(日)

■ 非常勤の授業準備
■ 留学生の授業準備
■ 学会発表アブストラクト作成
■ 授業見学@東京(プロジェクト)
■ 研究会@東京
■ 翻訳(火6授業)

…なので、先取りで書いておこう~。

〔追記:6月5日〕
って気づいたら6月!あかんな~…。
乗り物に弱いので、東京に行くと一気に体力を消耗します。(寝てればいいのに、何かもったいないと思って本読むから…自業自得。)そんな5月でした。

5月7日(月)―5月13日(日)

■ 非常勤の授業準備
■ 留学生の授業準備
■ 学会発表要旨執筆(研究会での発表+提出完了)
■ 授業見学@東京(プロジェクト)
■ 翻訳(プロジェクト)

書いたとたんに終わりつつある一週間…。プロジェクトの翻訳はギリギリ間に合いました。

2012年5月2日水曜日

戸田山和久『論文の教室: レポートから卒論まで』

戸田山和久『論文の教室: レポートから卒論まで』日本放送出版協会、2002年.

読みだしたらとまらなくなってしまいました…著者の思うつぼ?いかんですな。でも、とても楽しく読めました。「論文を書くことに必要なこと」がすごく丁寧に整理されています。

メモ:
・論文とはどんな文章か(pp.37-8.)
 ①論文には問いがある
 ②論文には主張がある
 ③論文には論証がある

→シンプルな3要素。

・論文の課題の類型(p.54)
 ①報告型の課題(=レポート)
   a. 読んで報告するタイプ
   b. 調べて報告するタイプ
 ②論証型の課題(=論文)
   c. 問題が与えられた上で論じるタイプ
   d. 問題を自分で立てて論じるタイプ

→この類型は、院生が普段やっていることに当てはめられる。
a. は授業でレジュメをきる時の要約部分。
  発表担当箇所に何が書いてあったか、ポイントをまとめて提示する。
b.とc. は授業でレジュメをきる時の考察部分。
  書いてあることに関連する情報を調べる。
  書いてあることに対する自分なりの考えを示す。
d. は自分の論文を書く作業。

・問いの定式化 (pp.62-6.)
「じっさい、卒業論文の指導のほとんどが、問題の絞り込みに費やされるのがふつうだ。…卒論の出来は問題を絞ることができたかで99%決まる」(p.66)

→修論もしかり。おそらく、博論もしかり。

・論文の構成要素は5つ(p.76, 90)
 0. タイトル、著者名、著者の所属機関
 1. アブストラクト (こーゆーことをやるぞ!!)
 2. 本体
   ①問題提起 (これが問いだ!!)
   ②主張    (それについて私はこう答える。)
   ③論証    (なぜかというとね…)
 3. まとめ     (けっきょくこーゆーことがわかったわけですよ!!)
 4. 注、引用・参考文献一覧
           (お世話になりました…。)

「論文のタイトルには、『この論文を読むと読者は何がわかるようになるのか』を書く」(p.77)

→なるほど!この基準はわかりやすい。

・要約すること(pp.78-83.)
「文章を『問い+答え+論拠』の形に再構成する」(p.82)
 ①筆者はどういう問題を立てているか
 ②筆者はそれにどう答えているか
 ③筆者は自分の答えのためにどのような論証をしているか

→これはメモであって要約ではありません。

・書く燃料サイクル(p.108, 195)
 ①項目アウトライン
   …何を調べたらよいか。考えたらよいか。
 ②少し膨らんだ文アウトライン
   …調べて考えて書き加える。
 ③もっと膨らんだアウトライン(=パラグラフ・アウトライン)
   …さらに何を調べたらよいか、考えたらよいか。
   …調べて考えて加筆。
 ④論文

・アウトラインを作るときに問題を細分化する方法(p.113-126.)
 ①RPG法
 ②ビリヤード法
   a. 問いのフィールドを作る
   b. 問いのフィールドから問いと答えのフィールドへ
   c. フィールドからアウトラインへ
「フィールドからアウトラインにまでもっていくためには、捨てることが必要だ。もったいないけれど、思いきってばさばさ捨てる」(p.126)

コメント:
・第6章の「論証のテクニック」を読むときに頭が痛くなった…もとい、頭をかなり使った。これまでは接続詞を意識しつつも、論証の形式についてはあまり考えていなかった。(演繹的論証なのか、帰納的論証なのか?など。)理解するのはかなり難しかったが、すごく参考になった。そして、論証のテクニックを自在に使えるようになるにはある程度のトレーニングを積まないとダメだということがわかった。これは一朝一夕で身につくものではない。
・本書でも最初に説明されている(pp.38-42.)が、感情が根拠にならない理由を自分なりにもう少し考えたい。

2012年5月1日火曜日

お気に入り文具「ペン編」

わたしが使っているお気に入りの文具たちの紹介です。今回はペン編。

●ボールペン
・ユニボール シグノ 極細シリーズ(0.28mm):UM-151-28
・ユニボール シグノ 極細シリーズ(0.38mm):UM-151

黒のみ両方持っています。その他のカラーは0.28のみ。主に手帳への書き書き込み用。これまではパイロットのハイテックC(0.4mm)を使っていましたが、徐々にこちらへ移行中。(まだインクが残っているペンがあるので…。)パイロットのペンの色はすごく好きなんですが、書きやすさはユニボールに軍配。

●3色ボールペン
・ユニJETSTREAM(ジェットストリーム)3色ボールペン(0.5mm):SXE3-400-05
黒、赤、青の3色ボールペン。なめらかな書き心地のとりこになってしまいました。これまではゼブラのクリップ-オンG・4C(0.7mm)を使っていました。これもすごく好きだったのですが、ジェットストリームの細み加減にやられました。ノートへ記入するときは、たいていこれです。文献をコピーしたものを読むときも、これ。

●鉛筆
・ハイユニ(3B)
鉛筆は本に書き込むときに使います。3Bくらいだと消しても本に跡がつかず、かつ擦れてもあまりきたなくなりません。(こすってはだめですよ、もちろん。)

ユニホルダー:MH-500
・ユニホルダー2mm替芯【黒】(3B)
・ユニホルダー芯用ポケットシャープナー:DPS-600
そして本日、新しく仲間に加わったのがユニの芯ホルダー・芯・シャープナーです。これまでは鉛筆を使っていましたが、最後までなかなか使いきれない(数センチ残る)、削りくずがすぐたまる…等の問題を抱えていました。果たして、これを使うことで問題解決につながるのか!?乞うご期待。

…こうしてみると、ユニばかりですね。

4月30日(月)―5月6日(日)

■ 非常勤の授業準備
■ 学会発表要旨執筆(資料の読みこみ)
■ 翻訳(火6授業)
× 翻訳(プロジェクト)

4月23日(月)―4月29日(日)

■ 非常勤の授業準備
■ 留学生の授業準備
■ 学会発表要旨執筆(関連資料の収集)
■ 資料の作成(プロジェクト)

2012年4月19日木曜日

Study Skills 関連文献

研究を始めるにあたってのガイドブック。エッセイや論文を書くことが中心テーマ。連合王国(イギリス)の学士課程及び修士課程の学生向けの本。

・Levin, P. (2004). Write Great Essays!: A Guide to Reading and Essay Writing for Undergraduates and Taught Postgraduates. Maidenhead: Open University Press.
(余談:授業履修が中心となる課程を 'Taught course' というらしい。この本はこの課程にいる院生向けということか。)

・Levin, P. (2005). Excellent Dissertations! Maidenhead: Open University Press.

どちらの本も、どうやらすでに第2版が出ている様子。でもあまり大きな変化はない様子。

論文を短期間で仕上げる!となれば、研究室文化の中でじっくりもまれながら(回り道を繰り返しながら)成長する…という訳にはいかないのだろう。日本の大学院の良さを感じつつも、このようなテキストが数多く存在することをうらやましく思いつつ。

続々・「学術スキル」なるもの(2011年1月14日)

2012年4月18日水曜日

岡本智周「社会学的研究の成り立ちについて」

岡本智周「社会学的研究の成り立ちについて」『ヒューマン・ケア科学への招待』 pp.26-27.

総合科目「ヒューマン・ケア科学への招待」の紹介文。自分の分野についても、このくらいズバッと説明できるようになりたい…!

研究室概要「社会学的研究の成り立ちについて」

2012年4月17日火曜日

4月16日(月)―4月22日(日)

■ 非常勤の授業準備
■ 留学生の授業準備
■ 学会発表要旨執筆(関連資料の確認)
■ 研究費の書類作成

池田輝政他『成長するティップス先生』

池田輝政、戸田山和久、近田政博、中井俊樹『成長するティップス先生: 授業デザインのための秘訣集』玉川大学出版部、2001年.

今年度の授業を受け持つにあたって、以前購入したこの本を最初から読み返す。非常に参考になりました。

メモ:
・学生に問題意識をもたせ、自分で学習するための手がかりを与えるような授業(p.84)
・授業時間が90分とすると、全体を20分、60分、10分に配分し、それぞれのパートの構成を練る(p.85)
《導入》今回の主題はなにか、なぜそれが必要なのか、それを学ぶことでなにが習得できるかを最初に明らかにしておく(p.85)/主題にかかわりをもつ問いや、具体例からスタートする(p.86)
《展開》仮説を設定・検証したり、「なぜ○○は△△△なのか」という問いを立て、クラス全員でその理由を探る謎解き型(問題解決型)の展開(p.88)
・質問や発言をするということは授業に参加し、それゆえに授業に貢献することなのだという意識を学生にもたせる(p.103)

2012年2月9日木曜日

ポール・ウィリス『ハマータウンの野郎ども』

ポール・ウィリス『ハマータウンの野郎ども』(熊沢誠、山田潤訳)、東京:筑摩書房(ちくま学芸文庫)、1996年.

授業で講読している文献(Anthony Giddens, The constitution of society: outline of the theory of structuration, Berkeley and Los Angeles: University of California Press, 1984)に引用されているので、読んでみる。

一番気になった点は、「野郎ども」の悪事の数々を淡々と聞き取り、記述するウィリスを、学校の先生はどのようにみていたのだろうという点である。学校の先生が「彼は研究者だからね」と思っていたなら、それはすごいことではないだろうか。(もしわたしが教師だったら、嫌味のひとつでも言いたくなりそうである…「気楽な立場でいいですね。」)気になる点である。

一方で、「野郎ども」には反学校文化としてまったく別の世界が存在すること、それがありありと記録されている点が、とても新鮮でおもしろかった。残念ながら原著には当たれていないのだが、とても丁寧に、臨場感たっぷりに翻訳してあるという印象を受けた。

後半の分析については、その枠組みがいろいろな事象に応用できるのではないかと感じた。特に、抑圧―被抑圧の関係性が維持される状況とそのメカニズムについて、うまく言い当てているように思われる。

つぶやき

Business = [busy-ness] absorbed my energy.

ここのところ、忙しさに負けている…。
(ちなみに、インフルエンザ・ウィルスにも負けてしまった…。)

が!しかし!負けてばかりいられないのです~(>_<)