2010年9月27日月曜日

金泰明『共生社会のための二つの人権論』②

金泰明『共生社会のための二つの人権論』トランスビュー、2006年.

構成:
第5章 価値的人権原理とは何か/第6章 ルール的人権原理とは何か/第7章 現代日本の神話と課題/第8章 開かれた共生社会をもとめて

コメント:
・人権と市民権の違いについてはこの本の中心的なテーマではなかった。
・人間として享受できる権利をどのように根拠づけるか、という点が論点。そのための〈価値的人権原理〉と〈ルール的人権原理〉という枠組み。
・社会契約説の立場からみた国家。「社会契約説によれば、国家や政府は、国民の生命や財産さらには人権を守るために国民の同意によって設立されるので、国家権力は好きかってに個人の権利を制限したり禁止したりすることはできません。」(p.80)
・社会契約説に基づけば、人権は国家と契約した人々が享受できる権利ということになる?とすれば、人権は市民権(政治共同体の成員であることによる権利保障)というかたちでしか現れ得ないということ?
・著者の構想。「開かれた共生社会へ向かう基本的な道筋として、現存するマイノリティへの差別や不平等に対しては〈価値的人権原理〉で対処しながら、長期的な展望としては〈ルール的人権原理〉に基づく開かれた共生社会を構想するというものです。」(p.202)
・コメントまとまりきらず。人権原理についての基本的な点についても再度整理する必要あり。
・金泰明『マイノリティの権利と普遍的人権概念の研究―多文化的市民権と在日コリアン』(トランスビュー、2004年.)も読もう。

1 件のコメント:

  1. 4点目に関しては、「人権という理念は、市民権というかたちで具体化されるべき」ということになるのかもしれない。その場合、社会契約説では「国民であること」はどのように合意されることになるのだろうか?

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