小川仁志『はじめての政治哲学――「正しさ」をめぐる23の問い』(講談社現代新書)講談社、2010年.
構成(pp.3-136.):
はじめに いまなぜ政治哲学なのか
第1章 自由をめぐる論争(以下、副題のみ)
1 功利主義/2 カント倫理学/3 リベラリズム/4 コミュニタリアニズム/5 リバタリアニズム
第2章 民主主義をめぐる論争
6 権力/7 デモクラシー/8 熟議民主主義/9 シティズンシップ/10 第三の道
第3章 差異と平等をめぐる論争
11 社会主義/12 多文化主義/13 宗教多元主義/14 フェミニズム/15 福祉国家
コメント:
・文献の副題にある「正しさ」とは?正義(justice)?善(good)?それ自体が論争的。
・政治哲学で議論されている話題が網羅的に扱われている。それぞれの項(1~15)の最初では身近な例を挙げて論点を明らかにしているところがすごくいい。その後の議論が追いやすい。
・しかし、たまに議論がとんでいるところがある(たぶん、自分が詳しいところ)。
・個人的には「13 宗教多元主義」と「14 フェミニズム」が興味深かった(たぶん、自分が詳しくないところ)。
引用:
・著者が、宗教学者レザー・アスランを引きながら述べている箇所。「相手を遠ざけることによって恐怖心を取り除くことなどできません。そうではなくて、相手を認めたときはじめて、恐怖心は消え去るのです」(p.119)。なるほど、と思った。このような認識を持つことは今後より必要とされるだろう。問題は、そのような機会をどのように創り出すのかという点。もともと排除されている人と出会うのは困難であることが考えられる。また出会ったとしても、その「特殊性」のみが強調される可能性もある。つまり、「われわれとは違う」という認識は変わらないまま、ということである。「相手を認め」るということの難しさ。
・「大切なことは、なぜどっちかに有利な社会になってしまうのか」(p.121)ということを明らかにすること。「構造的」な「権力関係」(≒規範)の問題を、どのように明らかにすることができるのだろうか。ずっとそれに取り組んできたのはフェミニズムかもしれないとも思う。
2011年1月31日月曜日
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