大学院生の生態は世の中の不思議のひとつではないだろうか。わたしもかつては世の中の一員で、大学院生はいつも部屋にこもって何をしているのだろうと思っていた。
「大学院生っていったい何をしているんですか?」
大学院生となった現在、この問いに答えることのできる立場にいるのだが、どうも説明しにくい。
一見それはわかりやすい。
大学院生の本業は研究である。
現在いる課程の目的からいえば、その最初のステップとして修士論文や博士論文を仕上げるために在学していることになる。
もう少し長い目でみれば、研究者となるトレーニングを積んでいるということになる。
けれども、その過程で何をやっているのかがわかりにくい。
日々実際にやっているのは、文献や論文を読む、考える、まとめるという作業である。
先の問いへの回答を困難にしているのは、おそらく、この作業が恐ろしく時間のかかるものであるということに起因している。
それぞれの段階で時間がかかる。
文献を読むにしても、その前にもろもろのデータベースを用いて文献を選ばなければならない。
考えるにしても、自分の既知の知識をいちいち整理し直さなければならない。
そしてまとめるときには、自分の理解がためされることになる。このとき、しばしばこれらの作業(読む&考える&まとめる)が行きつ戻りつ繰り返されることになる。
このように時間がかかることをうまく説明できないというのが、現時点での分析。

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