読みだしたらとまらなくなってしまいました…著者の思うつぼ?いかんですな。でも、とても楽しく読めました。「論文を書くことに必要なこと」がすごく丁寧に整理されています。
メモ:
・論文とはどんな文章か(pp.37-8.)
①論文には問いがある
②論文には主張がある
③論文には論証がある
→シンプルな3要素。
・論文の課題の類型(p.54)
①報告型の課題(=レポート)
a. 読んで報告するタイプ
b. 調べて報告するタイプ
②論証型の課題(=論文)
c. 問題が与えられた上で論じるタイプ
d. 問題を自分で立てて論じるタイプ
→この類型は、院生が普段やっていることに当てはめられる。
a. は授業でレジュメをきる時の要約部分。
発表担当箇所に何が書いてあったか、ポイントをまとめて提示する。
b.とc. は授業でレジュメをきる時の考察部分。
書いてあることに関連する情報を調べる。
書いてあることに対する自分なりの考えを示す。
d. は自分の論文を書く作業。
・問いの定式化 (pp.62-6.)
「じっさい、卒業論文の指導のほとんどが、問題の絞り込みに費やされるのがふつうだ。…卒論の出来は問題を絞ることができたかで99%決まる」(p.66)
→修論もしかり。おそらく、博論もしかり。
・論文の構成要素は5つ(p.76, 90)
0. タイトル、著者名、著者の所属機関
1. アブストラクト (こーゆーことをやるぞ!!)
2. 本体
①問題提起 (これが問いだ!!)
②主張 (それについて私はこう答える。)
③論証 (なぜかというとね…)
3. まとめ (けっきょくこーゆーことがわかったわけですよ!!)
4. 注、引用・参考文献一覧
(お世話になりました…。)
「論文のタイトルには、『この論文を読むと読者は何がわかるようになるのか』を書く」(p.77)
→なるほど!この基準はわかりやすい。
・要約すること(pp.78-83.)
「文章を『問い+答え+論拠』の形に再構成する」(p.82)
①筆者はどういう問題を立てているか
②筆者はそれにどう答えているか
③筆者は自分の答えのためにどのような論証をしているか
→これはメモであって要約ではありません。
・書く燃料サイクル(p.108, 195)
①項目アウトライン
…何を調べたらよいか。考えたらよいか。
②少し膨らんだ文アウトライン
…調べて考えて書き加える。
③もっと膨らんだアウトライン(=パラグラフ・アウトライン)
…さらに何を調べたらよいか、考えたらよいか。
…調べて考えて加筆。
④論文
・アウトラインを作るときに問題を細分化する方法(p.113-126.)
①RPG法
②ビリヤード法
a. 問いのフィールドを作る
b. 問いのフィールドから問いと答えのフィールドへ
c. フィールドからアウトラインへ
「フィールドからアウトラインにまでもっていくためには、捨てることが必要だ。もったいないけれど、思いきってばさばさ捨てる」(p.126)
コメント:
・第6章の「論証のテクニック」を読むときに頭が痛くなった…もとい、頭をかなり使った。これまでは接続詞を意識しつつも、論証の形式についてはあまり考えていなかった。(演繹的論証なのか、帰納的論証なのか?など。)理解するのはかなり難しかったが、すごく参考になった。そして、論証のテクニックを自在に使えるようになるにはある程度のトレーニングを積まないとダメだということがわかった。これは一朝一夕で身につくものではない。
・本書でも最初に説明されている(pp.38-42.)が、感情が根拠にならない理由を自分なりにもう少し考えたい。

・「根拠や理由と呼んでよいのは、主張を論理的に支える力のあるものに限られる。どんなに感情を揺さぶることであったとしても、われわれの理性を動かすものでなければ、根拠にはならない。」(p.38)
返信削除・「論文で認められない主観的記述とは、…論拠が示されていない判断・主張のことである。/論拠が示されていないと、読み手としては「あ、そうなの」と受け入れるしかない。」(p.44)
・「記述の客観性は、どれだけきちんとした論拠を伴っているかによって決まる。」(p.45)